ハマナスの実でジャムを作ってみた

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秋が近づくと、ハマナスの実が赤く色づいてきます。ハマナスのソフトクリームやジャムが売店で売られているけれど、実際ハマナスの実って美味しいの? ジャムを作って味を確かめてみました。

ハマナスの花−花びらは香水の材料になる

目次

ハマナスの実を採取

ハマナスの木には赤い実がなっています

9月になると、ハマナスの花が終わり、赤くて丸い実が目立っています。ジャムを作るため、まずはハマナスの実を採取します。

 ハマナスは、海岸線を歩くとたくさん見られます。バラ科なのでトゲが多く、実を採るとき手にトゲが刺さることも。蜘蛛の巣や虫と戦いながら、「あの人何やってるの?」的な人の視線にも耐えつつ採取。なるべく赤く熟しているものを探しました。鹿や動物も果実の食べごろを知っているので、ちょうど良い状態のものを探すのは結構大変でした。

鹿はライバル

果実の下ごしらえ

ハマナスの実

 実を綺麗に洗い、実の下についている、がくの残った部分をカット。トゲや汚い部分もカット。果実の中はタネだらけです。

ほぼタネ!

 鹿がよくハマナスの実を食べているのを見かけますが、タネは気にならないのでしょうか? 実のほとんどはタネです。果実を生で食べると、ビタミンCのすっぱさがあります。ビタミンCが豊富なため、昔はパイロットの栄養補助食として研究されたこともあったそうです。タネはスプーンで除去しました。

タネを取ったら…

 タネを取るとほとんど果実がありません。硬い部分も除去しました。ハマナスの実を少ししか採ってこなかったので、ジャムになる頃は一口分くらいしかないかも⁈

果実を煮込み潰す

 次に果実を煮込み潰します。水は果実の量と同じくらい。

弱火でじっくり煮ると繊維が潰れます。

見た目はトマト煮込み

 実を潰して煮込むと、トマトのような香りがしてきました。適当なタイミングで裏ごしします。

裏ごしした状態

 果たして、こんなにシャバシャバでジャムになるのか⁈ ジュースってことにするかな? などと考えつつ、再び煮込みます。この状態で味見すると、いかにもな果実臭がするばかりで、味は特になし。これをこの後食べるのか?笑

砂糖を入れる

 裏ごしした後に、実の重量の半分の砂糖を投入。焦がさないようにじっくり煮込み、灰汁を取る。煮込みの目安は、ジャムを水に入れて固まっているかどうかで判断します。

水に溶けない状態になっている

  ようやく煮込み終了! 一時はどうなることかと思いましたが、何とかジャムが完成!

ほんの味見程度のジャムが完成!

 さすがに10個程度の実だと、こんなものですね。そんなにたくさんあっても食べきれない&誰も食べたがらないので、予定通りの分量です。それでは早速実食! と行きたいところですが、冷蔵庫で少し冷やしました。

意外とイケた!ハマナスジャム

ハマナスジャム

数時間冷やすと、少し固まりました。見た目はイチゴジャムのようです。味は、ビタミンCのほのかなすっぱさと砂糖の甘味。木の実臭は消えていました。普通のジャムです! パンやヨーグルトにつけても、違和感はありません。想像していたより美味しいです。古来よりハマナスが食べられていたのも肯けます。苦労して作った甲斐がありました。パンにはジャム派! という人は、ハマナスジャムをお土産にするのも良いかと思います。

参考文献:山岸喬・山岸敦子「北海道山菜・木の実図鑑」北海道新聞社2010年pp.284-286

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