「北の国から」私の好きな第17話
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北海道を舞台にした「北の国から」。北海道では、よく再放送をしています。北海道の視聴率が良いのでしょうね。
私が初めて北の国からに出会ったのは、中学生の時の国語の教科書でした。それがテレビドラマ版第17話を切り抜いた話だった。
黒板五郎は、妻の令子と離婚するために北海道富良野を訪れる。二人の子供、純と蛍は令子と会うのだが、蛍は五郎に気を遣って、母である令子に冷たくする。しかし、最後の別れの時、列車に乗った母を必死で追いかける蛍の頬には涙が流れるのだった…。中学生の時は、このシーンを国語の先生がビデオで見せてくれたのをはっきり覚えている。私はそのシーンで号泣したからだ。同級生に泣いているのを悟られないよう、必死に隠した。
それから20年くらい経って、改めて今みてみると、蛍が列車を追いかけるシーンは、思ったより短く感じた。宮本信子さんが演じる弁護士が、「綺麗な川ね…空知川?」というシーンがあるのだが、空知川はかなり増水していて「どこが綺麗なん?」とかツッコミを入れたくなった…が、しらけるのかと思いきや…やっぱり死ぬほど泣けた。
見ている時、周りにいる同僚に涙を悟られまいと必死だったのは、20年前と同じ状況だったと言えよう笑。
今の私が泣けたのは、なぜ中学生だった私が、あんなにも涙を流したのか再確認したからだ。私も小学生の頃、親が離婚しており、蛍と自分を重ねて見ていたからだ。両親それぞれに気を遣ったりする気持ちは、当事者として痛いほどわかるものだった。
でも実際の私は、列車を追いかける蛍ほど情はなく、あっさりと縁は切れてしまったが。
離婚後の五郎の「いい人」になった女性、こごみに対しても、蛍は気を遣っており、非常に健気。蛍は大人の顔色ばかりを気にするようになってしまって、親が離婚した子供あるあるだなぁと、実にうまいもんだとそのあたりも感心。
その後北の国から23話では、子供達が靴を買ってもらうシーンが登場する。貧乏暮らしを余儀なくされる純と蛍の靴はボロボロで、母の再婚相手になるはずだった男に靴を買ってもらうシーンがある。
貧乏なのは父親である五郎のせいなのに、五郎が買ってくれたボロボロの靴を捨てたことを申し訳なく思って、子供たちがゴミ箱の中を必死に探す。こんなふうに、親に申し訳ないと思う気持ち、なんでも恵まれている今の子供達にあるのかな。正直、なくてもいいとは思うけど。
そんなシーンを見るにつけ、脚本家の倉本聡は、本当にすごい人だなぁと思う。そういう経験があったのか?と不思議に思って調べてみたが、別にそうではない。ただ、想像の産物であっても、見事な描写だなぁと改めて感じたのでした。北の国からをテーマにした「麓郷の森」は、今なお多くの観光客が訪れる富良野の名所。作品が世に出て、40年以上経った今も多くの人々が訪れるのは、それだけ多くの人の心に「北の国から」が響くからに他ならない。
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