座禅草は、利尻島・礼文島で「ババのけっつ」と呼ばれている
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北海道の春を彩る花の1つが座禅草である。利尻島・礼文島の方言では、なぜか「ババのけっつ」と呼ばれている。
春といえば
利尻島・礼文島でも、ようやく雪がとけはじめる3月・4月ごろ、顔を出すのが水芭蕉、座禅草である。
雪どけの頃には山菜シーズンが始まり、ようやく春になったという嬉しさが、北海道を包み込む。
山菜を探している足元には、水芭蕉・座禅草が顔を出しているのをよく見かける。水芭蕉はよく群生地があるが、座禅草は見かけない。群れをなさない。いや、もしかすると群れているかもしれないが、気がつかない。少なくとも群生地を見たことはない。ひっそりと存在している。どちらかと言うと、陰のイメージだ。
しかも山菜を採っているときに、誤って踏みつけると、臭い。
利尻島・礼文島の方言では座禅草を「ババのけっつ」と呼ぶ。あまりにもヒドい呼び名だ。
一応申し上げるわけだが、けっつというのは、お上品にいうとお尻のことである。臀部である。
なぜなのか、島民に尋ねてみたところ
「くせえからよ!」
と、まあ…。
座禅草は、別名「スカンク・キャベツ」などと呼ばれ、臭いことで知られている。ハエなどを寄せ付けて、受粉させるためである。
ちなみに「ジジのけっつ」という呼び名の花はない。不公平ではないかと思うのだが。
達磨大師の座禅姿に似るところから座禅草。
利尻島・礼文島でお母さんたちが、昆布を干す背中に似るところから、ババのけっつ。
方言でいうところの「ババ」という単語に、全く悪意はないということを補足しておこう。むしろ親しみ感がある。
座禅草に「ババのけっつ」というアダ名をつけたのは、親しみ感があったからかもしれない。
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