誰も見ることができなかった「旧丹波屋旅館」が1日限りの一般公開!

Sponsored Link

中頓別町の小頓別地区にある「旧丹波屋旅館」。今では、旅館としては営業していませんが、その佇まいから、通行する人々の視線を集めてきました。そんな旧丹波屋旅館が、2021年8月1日、1日限りで一般公開されました!

丹波屋

旧丹波屋旅館とは

旧丹波屋旅館は、名前を「松尾旅館」・「菅井旅館」といい、大正初期に建設された「和館」と昭和初頭に建設された「洋館」が組み合わさり、特徴的な外観を見せています。

旧丹波屋旅館

 和館・洋館とも、平成12(2000)年2月15日国の登録有形文化財に登録されています。

国鉄宗谷線(天北線)の延伸とともに、大正3(1914)年頃に建設された和館は小頓別駅前の旅館として繁盛し、木材を買い付けに来た木材商達で賑わったそうです。

今はなき天北線・小頓別駅(中頓別バスターミナルギャラリーより)

その後、経営者の変更に伴い、「丹波屋旅館」と改称。何度かオーナーが変わりつつも存続しましたが、JR天北線が廃止された平成元(1989)年、旅館としての役割を終え、個人宅として引き継がれました。

NPO法人の設立

旧丹波屋旅館は、2015年〜2016年ごろまで個人宅として利用されていたそうです。ご夫婦で住んでいたそうですが、その後無人に…。令和2(2020)年8月、このまま建物が壊されてしまうのは忍びないと、地元有志によって「NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクト」が設立されました。

人々に愛され、幾多の時代を乗り越えてきたこの建物を、地域の顔として、学習・観光の場として、地域貢献に資することを目指し建物の保存活用を探り、道北に残る数少ない歴史的建築遺産として、後世に受け継いでいければと考えております。

NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクト パンフレットより

一般公開&地元の子どもたちによる写生会

 2021年8月1日、これまで見ることができなかった旧丹波屋旅館が一般公開され、写生会が行われました。

中頓別の子どもたちによる写生会の様子

NPO法人の方に伺ったところ、このような写生会は初めての試みなんだそうです。旧丹波屋旅館は、絵になる佇まいですよね…。建物の外観はとても特徴的ですが、中がどうなっているのか、以前から気になっていました。それでは中の様子をご覧ください!

一階

 和館と洋館は内部で繋がっており、入り口は和館の方にあります。

和館入り口

入り口部分の屋根が、かなり斜めに傾いており、大丈夫?って感じでした…。

玄関

密にならない程度の見学者が来ていました。玄関を入るとすぐに、「昔の家〜!」という感じの匂いがしていました。木造特有の匂いなんでしょうかね…? 玄関のすぐ右横は、広い台所です。

台所

旅館に泊まるお客さんの食事を作っていたのでしょう、広々とした流し台があります。たくさんの女中さんが働く姿が想像できました。

和館の一階部分には、台所、風呂、トイレ、洗面台、大部屋が一つありました。二階へ続く階段は、しっかりとしていました。このテの建物って、意外と階段などの木材にお金をかけていることが多いですよね…。木材の種類はわかりませんが、そんな気がする!笑

玄関に入るとすぐ目につく…二階へ続く階段

階段奥には洗面台とトイレ、お風呂があります。

洗面台はギリギリOK⁈

あまりにも美しすぎる風呂&トイレは、写真に撮らない方が良いと判断しました。よって、残念ながら皆さまにはご覧いただけません。笑

 ちなみに、トイレは2人までくらいなら利用可能なスペースでした。お風呂は見ることができませんでしたが、ボイラーを発見し、お風呂があるのだなぁと推測。

 一階部分の和館の部屋と、洋館の部屋は、アコーディオンカーテンで仕切られているだけで、ほとんど繋がっています。どの部屋にも暖房機器はしっかりと置いてあります。こちらは石炭ストーブでしょうか…。

大切にされてきたんですね!

洋館の一階は、意外な感じですが、和室でした。しかも木彫りのクマがいます!

押入れには木彫りのクマ

 客室にこんなに広い押入れというのも…? 色々と想像が膨らみますね。

窓の形で洋館とわかりますね

新しいポータブルストーブもあります。最後に住んでいたご夫婦は、一階に住んでいたと思われますね。

二階

 二階への階段は二箇所ありました。玄関とは反対にある階段で、二階へ!

玄関の反対側にある階段

二階・三階部分は、老朽化が激しく、所々、屋根が落ちていたり、床もたわんでいました。いつ床が抜けてもおかしくない場所もあり、正直怖かったですね…笑。

和館の二階は、広い和室になっており、昔ながらの大部屋という感じでした。部屋の入り口には「一番」の札がかけられていました。

和館・大部屋

大宴会からの雑魚寝って感じ? なほど広い部屋です。床の間には装飾品が残っていました。これに対して洋館は、「六番」と「七番」の二つの部屋に仕切られていました。ちなみに二階も外観に反してバリバリの和室でした笑。

「六番」と「七番」の床の間には、飾りがたくさん! 正直ごちゃごちゃしてます。

六番の床の間
六番の部屋

 六番と七番は、廊下を隔て隣同士の部屋です。欄間部分には部屋番号の札が掲げられていました。隣の人のイビキが聞こえてきそうですが、オバケが出た時は安心ですね!

立派な欄間ですね〜

 七番の方が床の間は質素な感じです。

七番の床の間

中頓別は森林に囲まれた町なので、木の根っこの飾りがたくさん置かれていました。丹波屋旅館以外の家にも飾られていました。写真はごく一部という感じで、どの部屋にもゴロゴロと置かれていましたので、たくさん作られていたことがわかります。

木の根っこの飾り

三階

三階は、一つの部屋と屋根裏部屋が二つあり、他の階と比べると全く様子が違いました。外観からは、三階の存在自体わからなくなっており、秘密の部屋のようにも思えました。

三階の一部屋

壁が不思議なデザイン…お祈りをする部屋のようにも感じました。花は桔梗のようにも見えますね。

この部屋だけ変わってる〜!

 振り返ると、やんごとないお方の書が掲げられておりました。

直筆なのでしょうかね⁈

まさかこの書を書かれた方が宿泊されたのやも⁈ そのために洋館を建てました、とかありそうですよね…。妄想だけが膨らみます笑。三階はストーブも置かれていなかったので、普段使うところではなかったようですね…。

三階の屋根裏部屋

三階には、屋根裏部屋が二つあり、木の根っこがたくさん放置されていました…。反対側には除雪用スコップがありました。

 三階部分はあまり使われていなかったようですね。

これからの旧丹波屋旅館に期待!

丹波屋旅館は、かつては宿泊所として多くの人々の往来を見つめてきました。これからは地域の拠点として、教育・イベントの場として活用されようとしています。非常にユニークな外観と、歴史的価値のある建造物が再評価され、多くの人の目に触れるようになれば良いですね! ただ、これからいろんなところをかなり修復しないと、内部の一般公開は厳しいのが現状だと思いますが…。

来場者に、先着50人限定でキップを配っていました。これは嬉しい記念になりました!

記念キップ

 旧丹波屋旅館は、国道275号沿いに建っていますので、近くを通りかかった際はぜひご覧くださいませ。

Sponsored Link