トドのテッピって何?−トドを食べる文化(礼文島)
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礼文島の売店に行くと、トドの缶詰や、トドの加工品などが販売されています。これは、礼文島周辺にやってくるトドを撃って、食用にする文化があるからなのです。礼文島の居酒屋では、トド料理が提供されていました。それは、「トドのテッピ」! ところで、テッピって何?
目次
離島にとって食料の確保は命を繋ぐための最重要課題!
利尻島や礼文島といった離島では、野菜や肉などの生産が難しく、古くから様々な物資を船で運んでいました。しかし、秋から冬にかけて、高波やシケなどが多くなり、船を出すことができない日々が続きます。それは現在でも同じで、フェリーが1週間運休ともなれば、コンビニの商品棚から品物がなくなります。
そこで、様々な食料を確保することは、命を繋いでいくための最重要課題だったといえるでしょう。山菜を塩でつけたり、夏にとっておいた魚を保存しておくことは、冷蔵庫がなかった時代から受け継がれる知恵ですね。
例えば、利尻島・礼文島で現在も食べられている「ぬかぼっけ」は、ほっけを塩とぬかで熟成させた保存食です。
トドの食文化
礼文島のあたりは特に、トドがたくさんやってきます。トドは戦前は商業的に捕獲され、食用、皮革、油などに利用されてきました。豚肉や鶏肉が手に入りにくい時代は、トド肉をタンパク源として食料にしてきました。
また、トドによる漁業被害も甚大なため、トド撃ち猟師を育てるための講習会なども開かれたそうです。現在でも夏はウニ・コンブ漁師、冬はトド猟師という二足わらじの方もいます。
近年では、トドを仕留めた場合、大学などに検体として提出されたり、食用として利用されています。
居酒屋のメニューにあるトドテッピとは?
礼文島の居酒屋などのメニュー表には、トドのテッピというものがありました。
テッピとは、トドの手のことです! 手が転じてテッピ! 1,100円! 高い〜‼︎
酢味噌あえで出てきました。コラーゲンと油ということです。臭みなど全くなく、食べやすいです。きっと上手に料理されていたことでしょう。私は好きです…値段以外(笑)。
旅は様々な文化を体験すること
旅の醍醐味は、そこでしか見れない綺麗な風景、そこでしか味わえない美味しい食べ物、そこにある独特の文化、これらを体験することだと思っています。
礼文島の美しい風景、美味しい海の幸など、心を惹かれない人はいないと思います。
さらに声を大にして言いたい。「トド」!「ぬかぼっけ」! 食べなきゃ損しますよ〜。あれ? お客様が逃げていくような…(笑)
参考文献:礼文町「もっと知りたい‼︎ 礼文島2011」かりん舎 2011[pp.17]
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